【解決事例67】後遺障害等級1級、約7000万円の慰謝料・損害賠償額の増額事例

ご相談内容

交通事故によって,歩行不能で常に介護が必要であり,自発言語もほとんど見られない状態になってしまった。せめて,被害者本人が少しでも明るい環境で過ごせるよう,施設ではなく,生涯にわたって自宅での介護を続けていきたい。保険会社には将来の介護のための費用を負担してもらいたい。

事故内容

○依頼者の年齢、性別:50代,女性
○事故分類:車と歩行者
○事故の状況:青信号で横断歩道上を歩行していたところ,信号無視をした自動車に衝突された。
○過失割合:0:100
○受傷部位:頭部外傷
○後遺障害等級:1級

解決内容

保険会社の提示額:約1億6000万円(裁判基準で算定されたもの)
→増額の結果:最終的な総額2億3000万円(増額金額:約7000万円

解決のポイント

ご自宅での介護を行うためには,職業介護人を必要とする場合が多いと思います。一般に,職業介護人による介護費用は,施設での介護費用と比べて高額ですので,保険会社としては,その費用の負担に否定的であることが多いのではないでしょうか。このケースでも,交渉の段階では,保険会社は,施設での介護を前提とした賠償額を提示するにとどまり,在宅での介護を前提とした賠償に応じることはありませんでした。

交渉での解決は極めて困難な状況でしたので,訴訟を提起し,在宅介護を前提とした介護費用の賠償を求めました。職業介護人に支払う将来の介護費用が損害として認められるためには,職業介護人による介護が必要であると判断されなければなりません。そこで,被害者や近親者が在宅での介護を望んでいること,実際に在宅介護を前提として自宅を改装していること,既に在宅介護を数年間行った実績があること,遺言信託を行う等,近親者に万が一のことがあった場合にも被害者の在宅介護を継続できること等を主張した結果,第1審では,在宅介護を前提とする判決が得られました。その後保険会社側より控訴がなされましたが,控訴審でも在宅介護を前提とした和解をすることができました。

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